中川善之助『身分法の基礎理論』について

中川さんは、「日本の家族法学の父」(内田貴民法Ⅳ[補訂版]親族・相続』東京大学出版会、2002年、p.4)といわれていて、

ボクが今着目しているのは、身分法(=家族法)における、「身分」の再発見ということです。

「身分」といえば、古代からの奴隷や、近場では旧民法の家父長制での身分などが考えられる。
時代が進むにつれて、メーンの「身分から契約へ」という言葉が端的に表すように、生得的な身分を前提として法が成り立っていた社会から、個々人の自由な意思に基づいた契約が中心となる法制度が中心的な意味を持つようになった。
まだまだ、勉強不足ですが、中川善之助の功績は、そのように、「契約」が中心の法制度の中にも、「身分」的概念が家族法領域の中にとどまり続けていることを指摘し、「身分行為」という概念を提唱し、体系化したところにあると思われます。


ここからは、自分の研究報告に書くことですけれど、中川が行った身分行為の体系化を含め、民法が前提の部分でそぎ落としてしまっている問題*1を検討したいと思っているのです。

*1:ここでは、敢えて、具体的に記述することを避けておきます。まずは、研究報告のほうでシッカリ(ホントに「シッカリ」なんて書けるのか、甚だ怪しく、心配なところではありますです、はい。)書きたいと思っているので。