橋から見える

ボクは、港の近くに住んでいます。
その港には観覧車があります。午後九時ごろまでは色々な色を発しながらゆっくりとまわっています。でも、それ以降は、全てが赤い光となります。「もう、今日の営業は終わりました」そうとでも言いたげに。

帰宅の途中に橋を渡ります。その橋からは、港のほうまでよく見えます。夏のお祭りのときなどには、港の上空に上がる花火を眺めようと、多くの人がその橋の上に集まってきます。まぁそんなわけですから、さきほどの観覧車もよく見えるわけです。だいたい、帰宅時間は、早いか遅いかの二択なので、早いときはまだライトアップされていなくて、特に気にせず通り過ぎるのですが、遅くにその橋を渡るとき、暗い中に、観覧車そのものの赤い光と、それが川の水面に映って、ボクの横目に飛び込んできます。
「あぁ、今日もこんな時間かぁ」と思いつつ、ユラユラして見える(水面が揺れてそう感じるのかもしれません)赤い光に、どことなく寂寞としたものを感じずにはいられないわけです。「今日も、こうして過ぎていく。」


ただ、いつも、そんな寂しさイッパイか、というとそういうわけでもありません。
ボクのウチは、港の近くとはいっても、実際には海辺まで数キロ(1〜3kmくらいかと)あるので、潮の香りは届きませんが、その橋の上に行くと時々、海風*1の時があって、さすがに水路で海までつながっているだけあり、心地よい潮の香りがするのです。そんな時は、なんとなく、「ここが故郷なんだなぁ」なんて感じたりもするものです。

*1:海から風が吹いてくるときってこういいませんか!?