食事の後は唇に意識を集中しよう

全ての兵士が音楽家になれば世界は平和になるかもしれないが
全ての武器が楽器になっても必ずしも世界は平和にはならないだろう

誰かに受け止められることを望んでいるなんて、今の今まで感じさえしませんでした。なぜなら、私には、あなたは他の人にすでに充分に溶け込んでいるように見えましたし、受け入れられる才能*1を持っていると信じて疑わなかったのですから。
それなのに、あなたは、この私と同じく*2、独りである感覚を持っていたし、独りであることへの恐れをふり返らないように、独りであることを楽しんでいる風を装っていたのでしたね。
そして、今思えば一番不思議なのは、なぜ私はあなたと私が「同じ」だと考えることができるようになったのか、ということでもあります。不思議だと思いませんか。その一瞬間前には、私は、あなたを「私とは全く異なるタイプ」だと信じていたのにもかかわらず、その次の一瞬間には、私との「一部分の重なり」を配慮できるようになったのです。交わるはずのなかったものが交わる瞬間を私は経験したような、不思議な気分です。不思議だと思いませんか、あなたは。

まぁ、でも、そんなことはどうでもいいことですよね。

本当に悲しむべきことは、少なくとも私はあなたと同種の苦しさを知っている気ではいますけれど、だからといって、何か力になれるわけでもありませんし、「助け合う」ことの道徳的な「正しさ」が「良心」を掠めては行きますけれど、決してその「正しさ」を得心したわけでもありませんし、逆に、あなたが私を助けてくださることをのみ欲望してしまうことです。
あなたが、私とは、この部分においては別種のヒトであることを悲願しています。

*1:私には、その才能が欠乏しています

*2:そうやって同じ、と断定してしまうのが、私の短絡的で、馬鹿げた癖なのです