ほてる

身も心も、正体を失うほどボロボロにしたときに、アメが降っていることなど意識できないし、他人(ひと)の視など考えられない。

夜中中ネオンが豪奢な建物で、今日も快楽が波打ち、"彼ら"は生起させられる。
夕べはなかったものが、光とともに降りて来る。


他者とは即ち未来人(未だ来ぬ人)。


ネオンを滴るアメに目を奪われる。もう時は過ぎた。
"彼ら"が降りて来る未来が、決定できるしかつ決定できないことが、"彼ら"の幸福を祝福し、詩(shi/し/氏/志/資/死)を朗読する。
"彼ら"とは明日酒を交わす。"彼ら"とは昨日でお別れだ。蒸し暑い夜だ。