正直屋C「あたしゃ、正直の売り買いを生業にしとるもんです。ま、正確には少し違うんですがね。いろいろな情報をあちらの世界で仕入れてきて、そこにはもちろん嘘つき情報も含まれてしまうんですけど、それらをあちらの世界と砂時計の中でばら撒く。砂時計の中は遅延するので、あちらの世界で嘘とわかり次第その情報を削除していく。すると、砂時計の利用者は、あちらの世界より相対的に正直な情報濃度の濃い世界を満喫できるこの情報世界のアクセス権を売るのが、あたしの仕事です。この正直濃度の濃い世界を心地よく感じる人間はかなりの数にのぼり、案外ピュアな世界が求められていることに驚きもありますが、あちらの世界の息苦しさを思えば、当然かもしれませんね。」