妄想紀行

いつもなら乗換えで一時下車するところを、そのままやり過ごして、ずぅーっと遠いところまでたどり着く、きっとこのまま、この場所で立ち止まっているのも悪くないけど、改札を出る。お決まりのように吸い込んでは吐き出す自動改札には、もう飽きてしまった。タクシーが留まっているけど、やはり通り過ぎる決心をする。あるものをあるように利用するのは、単調さを長引かせるだけだった。
まぁ、とはいえ、無計画に歩みだすのは、後々考えればただのアホになってしまうかもしれない。潤いをえるためには、自販機の恩恵をここにおいても被らなければならない今、この場は、棚に上げておいて、少し思いをめぐらせて見る。自分は、どこに行きたいのか、そこでなにをしたいのか、どんな人間になりたいのか、どんな人物と一緒にいたいのか。