アンリ「ハグハグしてください」

あの時、生まれたばかりで瀕死の仔犬だったのにいつの間にかワンパクな娘さんになってしまいましたね。飼い主が生きるか死ぬかの人間関係のなかで精神をすり減らしているときに、行かざるをえなかった獣医院の清潔感は今思い出すと異常すぎて気持ちが悪くなります。
泡を吹いているあなたをタクシーの中で抱きかかえながら、唯一の心のよりどころだったあなたまで失ってしまうのかと、本当にどん底でした。
今もあなたは私のたった一つの癒しの元。いつまでも私の隣にいてください。
人間の男なんて、もうみたくない。
こんな仕事もう嫌。
精神的に限界って日記にあげてるのは、客をよんだり同情して欲しかったり、するからじゃなくてそれ以外出てこないから仕方なく書いてるだけ。
あなただけ。一緒にいて私が人間でいられるのは。
あなたのおかげで、手首の傷も少なくなってきた。
もう少しがんばろう。日の出くらいまで自分を消していれば、一人になってあなたに見守ってもらって眠れる。